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ダイニングキッチンは家族がつながる場所。WTW 岡本勇気さんが暮らす、素材を感じるシンプルハウス

西海岸テイストのインテリアを提案するライフスタイルショップ「WTW(ダブルティー)」。その営業部長 兼 商品部長をつとめる岡本勇気さんのお住まいは「子どもの成長に合わせて変えていけるように」という考えから、オープンな空間とシンプルなデザインを意識して設計されています。都内郊外に 3階建ての自宅を建ててから8年。奥様と小学生になったばかりの娘さんの3人で、心地よく暮らすためのポイントをうかがいました。

岡本 勇気さん

“Urban Surf Natural”をコンセプトにしたブランド「WTW」の 営業部長 兼 商品部長として、ブランディングや店舗の設計、住宅デザインなどを手掛ける。インテリアデザイナーの資格を所有。奥様と娘さんの3人暮らしで、週末は家族でゆっくり一緒の時間を過ごすほか、サーフィンをしに海へ行くことも。

WTW公式サイト

「ご近所さんが気軽に集えるように」つくった、広い玄関土間

転勤から東京に戻ってきたタイミングでマイホームを探していたという岡本さん。新築以外に、中古マンションのリノベーションも視野に入れていたそうですが、たまたま当時住んでいた場所の近くで理想の土地を発見。

ご両親の家からもほど近く、地元で採れる野菜がおいしいことにも魅力を感じて、自分たちでゼロからデザインして、こだわりを詰め込んだ住まいをつくることにしたといいます。

季節ごとに庭の植物たちが表情を変え、楽しませてくれるという

「前の家に住んでいた頃から趣味で野菜をつくっていて、家から畑に向かう途中でこの土地を見つけたんです。実家にも近いし、静かで落ち着いた環境が気に入ってしまって。どんな家でどんな暮らしをしたいかを二人で話し合いながら、理想の住まいを形にしていきました」

外構のグリーンを手がけたのは奥様。玄関前にはジューンベリーの木が植えられており、毎年、娘さんの誕生日の時期に真っ赤な実がたくさんなるのだそう。

白い玄関ドアを開けると、まず目に飛び込んできたのは玄関土間の奥に置かれた大きなグリーンたち。天井まで伸びる大きな窓越しに見える庭の木々と一体になって、家の中とは思えないほど自然を感じられる開放的な空間が広がっています。

シューズボックスとして利用しているという白い棚の上には、赤や黄色に色づいた落ち葉や木の実、松ぼっくりなどが彩りあざやかに飾られています。「娘が公園で拾い集めてきたものを飾っているんです」と岡本さん。娘さんの好奇心から集められたコレクションは、季節を感じるアート作品のようです。

家を建てるときにこだわったことのひとつが、この明るく広々とした玄関土間だったそう。そこには、畑での野菜づくりが趣味というおふたりらしい理由が。

「一緒に野菜づくりをしている仲間やご近所さんたちが集まれるような空間にしたかったんです。土間だったら、畑で採ったばかりの土が付いた野菜を持ってきても気にならないですし、みんなに上がってもらって、くつろいでもらいやすいだろうなと思って」

そんな考えから、玄関土間とダイニングキッチンが一体になった間取りにしたところ、ねらいは見事に的中。週末には友人やご近所さんを招いてパーティーをすることが多く、一緒に料理を作ることもあるそう。外と中がゆるやかにつながることで、訪れた友人との距離が自然と縮まるような気がするといいます。

ダイニングキッチンは、家族の時間を過ごす大切な場所

「家にいるときはいつも3人で同じ空間にいることが多いんです。誰かが2階の子ども部屋や3階の寝室に行ったらほかの2人も一緒に移動する、という感じで。

なかでも3人でいちばん長くいるのがダイニングキッチン。寝るとき以外は、ほぼこの空間で過ごしているんじゃないかな。娘が本を読んだり、絵を描いたりするのもこの場所です。それぞれが別のことをしていても同じ空間にいることでお互いの表情が見えますし、子どもの成長の様子をすぐ近くで見守れるのが嬉しいですね」

ダイニングには、玄関土間から続くモルタルの床にウッド素材の家具をレイアウトして、ナチュラルな雰囲気に統一。家族と一緒にくつろぐ時間を大事にしている岡本さんにとって、キッチンで料理をしている奥様とダイニングでピアノを練習する娘さんの顔がよく見えるのは、何よりの喜びなのだそう。

最近は娘さんが奥様と一緒にキッチンに立って料理をしたり、片付けをしたりすることもしばしば。

「ダイニングキッチン全体が子どものお手伝いの舞台で、毎日の食事の準備は子どもに向けた料理教室のようなものだと思っています」と話す岡本さん。元気よくお手伝いをする娘さんの様子からは、お手伝いをすることが遊びと同じように「楽しいこと」のひとつになっていることがわかります。

天窓から光が差し込むすっきりとしたキッチンをデザインしたのは、キッチンスペシャリストの資格を持つ奥様です。1階の間取りを決める際には最後まで、キッチンの場所をどこにするか、どんな設備やデザインにするかを悩んだそう。最終的に、家族やお客さまとの会話を楽しみながら料理ができるようにダイニングとの距離を近くし、使いやすさと導線を重視したオープン収納のキッチンができあがりました。

奥様が「使っていくうちに味が出るようなキッチンにしかったんです」と語るだけあって、細部までこだわりが詰まっています。ガスコンロは、以前から憧れていたというフランス製の「ROSIERES(ロジェール)」を設置。ステンレスの冷たい印象が強くならないように、壁面にはタイルを貼り、収納棚にはナチュラルな雰囲気を出すためにウッド素材を取り入れています。

岡本さんにはもうひとつ、この空間で過ごすお気に入りの時間があるといいます。それは、プロジェクターで大好きな映画やサーフィンの映像を観るひとときです。

「生活感が出てしまうのでテレビを置いていないのですが、好きな映画は観たい。それで、プロジェクターをつけてホームシアターを楽しんでいます。仕事から帰ったあとに1人で観ることもあれば、家族3人で観ることもありますね」

玄関との間に、ロールカーテンを設置

映像はプロジェクターで楽しむのが岡本さん流

「今のこの家」に合うものを選んで、自分たちらしい家に

この家を設計するときに岡本さんご夫婦が意識したのが「長く住んでも飽きのこないデザインにすること」だったそう。

「子どもが成長していくにつれて家に置くものも変わっていきますよね。なので、そのときどきに無理なく変えていけるデザインを意識したんです。僕たちふたりとも素材感を大切にしたアイテムが好きだったので、壁や床の素材にこだわって、シンプルだけど年月とともに味が出てくる家を目指しました」

玄関からリビングダイニングにかけて広がる、モルタルの土間

珪藻土の壁と、サイザル麻の階段

真っ白な壁は珪藻土、床は1階にはモルタル、階段と2階にはサイザル麻、3階にはタイル。空間ごとに異なる素材が用いられていて、さまざまな表情を楽しめることがこの家の魅力になっています。

お子さんの成長とともに空間の使い方を変えていけるように、なるべく壁や仕切りを設けないようにしているのも特徴的。1階のダイニングキッチンから続く階段スペースは、実は娘さんお気に入りの場所なのだそう。壁には娘さんが描いた絵が飾られており、小さなアートギャラリーになっています。また、現在2階のリビング兼子ども部屋は、今はひと続きの空間になっていますが、いずれは個室にできる設計にしているのだとか。

 
部屋の使い方は少しずつ変化していますが、この家のシンプルでナチュラルな雰囲気は建てられた当時から変わらないままです。

朝一番で淹れるコーヒーも、リラックスするひとときだという

「新しいアイテムを買うときは『今のこの家に合うかどうか』を考えるようにしています。アイテム自体は気に入っていても、この空間に合わなかったら浮いてしまって、たぶん使わなくなってしまうと思うんです」

インテリアの中には、岡本さんが手がける「WTW」のアイテムや趣味のサーフィンに関するアイテムも置かれています。それらがちぐはぐになることなく、ナチュラルな空間に馴染んでいるのは、自分たちの家に合わせたもの選びを意識しているから。ルールを決めて空間に合わせていくことで、居心地のよい空間が生まれているようです。

家族の成長とともに、暮らしの変化を楽しむ

お天気のいい日は、家族一緒に外遊びをすることも

「娘が成長するにつれて、来年はどんなアイテムがこの家に増えるのだろう、と考えるのが楽しみなんです」と話す、岡本さん。少し前までこの家になかった電子ピアノ、もうすぐしまうことになりそうなおままごとのキッチン——。“子どもの成長とともに家の変化を楽しむ”という考え方は、家族で過ごす何気ない日々を楽しむ秘訣といえるかもしれません。

キッチン横の棚に並ぶ、たくさんのカトラリー

ご近所さんと一緒につくったラム梅酒が好評だったそう

奥様は「みんなが自然と集まれる場所になったら」と話してくれました。家族をつなぐ場所であるだけでなく、もっと仲間や地域ともつながる場所へ——。岡本さんご一家の理想の家づくりは、まだまだ続いていきます。