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”大きな室内窓が部屋と家族をつなげる” スケッチがつくった等身大の中古マンションリノベ

築30年の中古マンションをリノベーションし、ご夫婦、5歳の息子さん、8カ月の娘さんの4人で暮らすSさんご一家。お仕事でプロダクトデザインに携わっているという経験を活かし、スケッチをもとにしながらリノベーションを実施。”家族がいつもゆるくつながっていられるように”という願いが込められたSさんの家づくりについてお伺いしてきました。

Sさんご夫妻プロフィール

同じ会社の同期として出会ったというSさんご夫婦。奥様は商品の企画やデザインの部署、ご主人は開発の部署に勤務。2013年に共に転勤で静岡県に移住し、2018年12月から現在の住まいに。Sさんはナチュラルなインテリアや雑貨が好き。ご主人はテレビゲームが趣味。

家族の空間は自分たちの好きなように作りたい

Sさんご夫婦が新居を探し始めたのは、娘さんがまだお腹のなかにいるときだったといいます。それまでは賃貸住まいでしたが、息子さんが小学校にあがる前に、本格的に住居を持とうとご夫婦で話し合い新居探しがスタートしました。

「最初からリノベーション物件にしようと決めていました。『せっかくの自分たちの家、決められたものでなく、好きな空間にしたい』という気持ちが強かったんです。一軒家という選択肢もありましたが、人生設計を考えるとまだ早いなと。それでリノベーションを視野に中古マンションを探していたら、この辺ではめったにない好物件がたまたま売りに出たんです」

駅から近いし、日当たりもいい。さらに決め手は約90㎡という広さでした。Sさんご夫婦は迷わず購入を決めたそう。物件探しはとんとん拍子だったといいます。

 

開放感が家族のつながりと心のゆとりをもたらす

さっそく得意のスケッチでリノベーションのイメージを膨らませていきました。もともと仕事で家庭用プロダクトのデザインをしていた経験があり、人が家のなかでどう動くかシミュレーションすることには慣れていたそう。

「どの部屋をどう使おうか、描きながら動線をイメージしました。タオルはここにかけて、洗濯物はここを通って運んで……って。楽しくて仕方ありませんでしたね」 新居での暮らしを想像し、心を躍らせるSさん。ご主人にはスケッチを見せ、イメージを共有しながら、リノベの計画を進めていったといいます。

 

こだわったのは、「家族がゆるくつながれる開放感」

もともと4LDKだった間取りを、畳の部屋をなくして3LDKにし、リビングからキッチンを一続きに。子供部屋には大きな室内窓を取り付け、その先にある寝室も扉ではなくカーテンで仕切っています。そうすることで、どの部屋にいても視界が遠くまで開けるように工夫したそう。

「子供部屋が室内窓だと、キッチンにいても遊んでいる子供の気配を感じられるんですよね。同じ家の中にいるのに何をしているのかわからないよりも、なんとなくつながっている空間をつくりたかったんです。先日も、アイロンがけをしているときに、窓越しにお絵かきをする息子が見えて、いい眺めだなと思いました(笑)」

キッチンに立つとリビングや子供部屋が一望できるそうで、ご主人からも「とくにキッチンからの眺めがいい」と評判なんだとか。

家族が違う部屋にいても、それぞれの様子がなんとなく伝わってくる ”ゆるくつながるリノベーション”からは、Sさんの家族への愛情が感じられます。

開放感を出すために天井を抜いて塗装したのも正解だったと、お2人は話します。天井を高くしたら、リノベーション前よりもずっと部屋が広く感じられ、心境も変わったとか。 「家が広々していると、心にゆとりができますね。子供が生まれてすぐに引っ越してきて、毎日慌ただしいですが、以前よりも気持ちに余裕を持てるようになりました」

素材へのこだわりが居心地のよい空間をつくる

もうひとつこだわったのが、素材。「もともと自然素材が好きなんです」とSさん。リビングのフローリングは無垢のオーク材、続く子供部屋と寝室の床材はあたたかくてやわらかいコルクにしたそう。「できるだけ本物を使いたかったんです。タイル風印刷などのサンプルを見ると、やっぱり違うなと感じてしまって……」

そう話すSさんにとって、ひときわ思い入れがあるのがキッチンだとか。

「昔から木製のキッチンに憧れていてリノベするなら木製!と決めていたんです。でも見積りをしてもらったら思っていたより高くて。。難しいかなと諦めかけていたとき、主人が「気に入ったものにしていいよ」と頼もしい一言をかけてくれて(笑) ちょっと予算はオーバーしてしまいましたが夢が叶いました!大切に使います」

シンクの囲いは耐水性の高いタイプのモルタルを使用し、床はタイル張りに。さまざまな”本物”に囲まれたキッチンはとても居心地がよく、料理をする時間もより楽しくなったといいます。

お気に入りだという洗面所の床は、なんとモルタル色のタイルのヘリンボーン。 「工務店さんのショールームで一目惚れしちゃって。最初のスケッチ段階のときから必ず入れたい!とお願いしていました。いまでも毎朝顔を洗うたびに、ちょっぴり気分があがります(笑)」

質感のある素材に囲まれていると、感覚的な安らぎがあるのだとか。「遊びに来たご友人たちからも、居心地がいいねとよく言われますね」

 

無理にしまわず、“見せる収納”で暮らしは楽しくなる

「好きなものに囲まれていると、暮らしがちょっと豊かになる」といいます。 「キッチンでは器や料理道具をあえてしまわず、見えるように棚に並べて工夫しました。コーヒーを淹れながら『今日はどの器で飲もうかな』なんて棚を眺めている時間が楽しいんですよね。 パンやお菓子づくりの道具もかわいいので、わざと出して飾っています。器はこれからもっと増やしていきたいですね」

ペンダントライトやドライフラワー、料理道具をインテリアの一部のように見せているところもSさんのこだわり。「使い勝手は必須ですが、家事のしやすさと見た目のよさを両立させるようにというのは常に心がけてます」

落ち着いた色づかいとインテリアグリーンでナチュラルな雰囲気に

素材にこだわる一方で、インテリアの色は全体的にシンプルに。

「もともと落ち着いた色が好きで、自然とこうなりました。カーテンは白にしようと決めていたので、自然光が入ってきてとっても気持ちがいいです。インテリアがナチュラルなのでグリーンを程よく取り入れてアクセントにしています」

Sさんのナチュラルなセンスを受け継いだのか、息子さんも木が好きになったそう。

「ある日、息子が両手いっぱいに大きな落ち葉を抱えて帰ってきたんです。せっかくだから飾ってあげたいと思って、親しくしている花屋さんに相談しドライフラワーと一緒にアレンジしてもらいました。息子が公園で拾ってきたまつぼっくりも、インテリアの一部としてキッチンの棚に飾っています。ちなみに昨年のクリスマスはオリーブの木をおねだりされました(笑)」

あたたかい家族の関係が続く、等身大のリノベーション

リビングに置いてある大きなソファはご主人のお気に入りで、ベッドのように寝転がれるスペースはまさに「パパの場所」。くつろぐご主人の上に息子さんが乗っかるほほえましい光景が、Sさん宅の日常です。 「ここで家族みんなでごろごろして、テレビを見たりゲームをしたりする時間がいいんですよね。まさに家族がつながる場所ですかね」

将来お子さん2人が大きくなったとき、それぞれに部屋を用意することも、Sさんご夫婦は折り込み済み。 「いまの子供部屋と寝室を交換する予定なんです。子供部屋の壁にしている有孔ボードは、ひっくり返してそのまま子供部屋の壁にできる仕組みにしています。もう一室は、玄関脇にある納戸をあてがうとのこと。

「納戸は、子供部屋にしたときのために、玄関側に小窓をつけました。そこから明かりが漏れているかどうかで、子供が中にいるか最低限わかりますよね」 ほどよい距離感で見守られ、お子さんたちがすくすく育つ姿が目に浮かぶよう。

 

現在Sさんは育休中。ご主人は、平日は仕事で帰りが遅くなることもままありますが、「その分休日は家で家族と過ごしたい」とのこと。

家族思いのSさんご夫婦がリノベーションでデザインしたのは、"背伸びしたおしゃれではなく、等身大で豊かに暮らせる空間" 。
あたたかい家族の関係が続く暮らしのカタチがそこにありました。

撮影協力:RE住むスタジオ オレンジハウス静岡店(ORANGE HOUSE)