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活版印刷でカレンダーづくり

みなさんは活版印刷をご存知ですか?活版印刷とは、活字という金属のパーツを使って版下を組み上げて行う印刷方法のこと。かつて印刷物の多くは、この活版印刷でつくられていましたが、最近ではパソコンで簡単につくることができるように。でも、逆に、紙やインクの質感や味わいが人気で、今も、名刺やメッセージカードなどを活版印刷でつくっている方もいます。
今回、私たち“RE住むDIY部”は、そんな活版印刷に挑戦することに。新年度に向け4月から使えるカレンダーをつくってみました。

組版からの挑戦

RE住むDIY部メンバー全員、活版印刷初挑戦。まずは、自分たちの手で活版印刷ができる場所探しからスタート。活版印刷は(1)活字を組む→(2)色をつくる→(3)印刷する という工程に分かれていますが、全体の構成を作ることになる「(1)活字を組む」(組版)の工程を体験できるところを選びました。
今回、ご協力いただいたのは、浅草は合羽橋のほど近くに印刷所を構える「ファーストユニバーサルプレス」(http://www.fupress.jp)の溪山先生。

活字を組む

作業場に入るとまず圧倒されるのは、そこに置かれた活字の数。インクの香りが漂う空間の中にはこうした金属の「活字」がところせましと並べられています。

この黄色いものが活字を組むときの枠になる「ステッキ」。この「ステッキ」に、金属のパーツを隙間なく配置して版下をつくる作業が最初の工程となります。たった1文字を思い通りの場所に配置するにも、無数のパーツを使用します。

日付部分に使用する数字の「活字」

カレンダーのヘッダーになる「月」の部分が完成した版下

溪山先生に「1ヵ月分なら10分くらいで組めますよ~」と言われて、「そんなに簡単なんだ!」と、気をゆるめていたメンバー。ところが、作業をはじめたとたん「10分は無理だ……」「これを9ヵ月分…?!」と、ちょっと不安な声も…。決められたレイアウトに沿って活字を配置していくだけとはいえ、活字と活字の間のスペースもクワタやマルトを隙間なく、そしてバランスよく組む、という作業が初心者の私たちにとっては、簡単なものではありませんでした。

例えばスタンプを想い浮かべてください。絵柄や文字が逆さまですよね。活字もそれと同じように逆さまになっていて、それを配置するので、ちょっとでも気を抜くと「あれ?まちがってる?」と頭が混乱すること多々…。

組みあがった版下。スタンプのようにすべてが逆さま

左写真の版下で印刷したもの

「水曜日って右からWEDであってましたっけ?(笑)」と、曜日部分になる小さな英字の「活字」と佐渡山も格闘。他にも、そもそも月の始まりの曜日が違うカレンダーなのに全員が月曜日から組みはじめてしまう……など、そんなこと間違えちゃうの?という間違いが多々起きながらも(笑)、次第に「活字を組む」の作業のコツをつかんでいきました。
「こういう作業好きだなぁ……」「コピペってすごい機能だなあ」と、さまざまな感想(悲鳴!?)を口にしながらも、部員たちはそれぞれに作業を楽しみました。

あらかじめ作成しておいたリスムさんの版をセット

1ヶ月分の活字が組みあがったもの

最後に、活字とは別で用意しておいたRE住むのホームページにもいる、私たちのオリジナルキャラクター「通称・リスムさん」のイラストの版を「月」の数字の横にセット。これでようやくカレンダー1ヵ月分の版下の完成です。

色をつくる

版下が完成したらついに活版印刷機の出番。こちらは約30年もののヴィンテージなんだそう。まずはこの丸い鏡のような部分に好みの色のインクをのせます。 インクをのせたらハンドルでローラーを上下させてインクを印刷機にまんべんなく馴染ませます。ハンドルを何度も上下に動かすこと約100回!! と、この作業もなかなか重労働。
今回は「3人それぞれの好みの色をつくりたい!」と各々好きな色づくりに挑戦しましたが、イメージした色味に近づけるのもなかなか難しく、何度もインクを足して、調合していきました。

印刷する

印刷機にインクが馴染んだら、組み立てた版下をセット。紙を挟んでプレスします。
まずはテスト印刷にトライ。
想像以上にプレスする“タイミング”と“力”のバランスが難しく、力が弱くてかすれてしまったり、タイミングが合わずに版ズレを起こして二重になってしまったり……

左:版ズレして文字が太くなってしまっています。右:リスムさんのイラスト部分に全然色が乗っておらず、かすれてしまったもの。

印刷してみて、3日と13日の‘3’が逆になっていることが発覚!なんてことも(笑)。
試作を繰り返し、本番へ! 独特のタイミングと力のコツをつかめると、そこからは楽しくなり、何枚でも刷っていたくなってしまうほど 。途中でインクが切れてしまい、「同じ色をつくるにしてもインクの比率がわからない……(汗)!」と、初心者ならではのハプニング?もありましたが、これも手作りならではの醍醐味でした。

ついに完成!

こちらが完成した9ヵ月分のカレンダー。活版印刷ならではの味わいのある発色に、そして、リスムさんもきれいに印刷でき、大満足に仕上がりになりました。
最後に、山あり谷ありだった活版印刷体験のRE住むDIY部メンバーの感想を聞いてみました。

【サコ部長】活字の版下づくりがとても楽しかったですね。でも、想像以上の活字の多さには苦労しました。今回はあらかじめ考えていただいたレイアウトと組版の構成で、それを参考につくりましたが、いつかは自分でレイアウトを考えて絵本などにも挑戦したいと思いました。

【モリナ】活字を組んでいるとき、全てが上手くハマった瞬間が、難しいパズルを完成させたときのような快感で何とも言えませんでした(笑)。活版印刷を手がけている印刷所は少なくなってはいますが、現代の印刷技術では表現できない魅力がつまった印刷物がつくれることを若者にも伝えていってほしいと思いました!

【佐渡山】自分でオリジナルの色をつくる工程が楽しかったです。少しずつインクを足してイメージする色に近づけていくのですが、一度つくった色はもう2度と再現できないので、「上手く行くかな!?」というドキドキとワクワクがありました。

次回はどんなものづくりと体験が待っているのでしょうか…!?今後も“RE住むDIY部”の活動にご期待ください!